IoT家電×AIで「おうち整う生活」へ
日本の一般家庭でもスマートホーム化が急速に広がっている。2024年にスマートホーム市場は約81億ドル(約1兆1,000億円)となり、今後2033年には226億ドルまで拡大すると予測されている。この背景には、生活の利便性を高めたい共働き世帯や高齢者世帯のニーズがある。
AIとIoT技術の融合が進む中、音声操作や自動化、エネルギー管理といった多機能化が進展。特に大手家電メーカーの製品投入が注目を浴びており、LGの「ThinQ ON」スマートホームハブは、独自AI「FURON」を搭載し、他社IoT機器とも統合可能だ 。Matter規格への対応により、異なるブランドの製品をまとめて操作できるようになっており、音声コマンド一つで照明、エアコン、ドアロックなど複数の家電制御が可能になっている。
家事・快適性・省エネ、三拍子揃った未来の住まい
AI冷蔵庫とキッチン家電
LGやSamsungのAI冷蔵庫は、庫内カメラと連携し食材を認識、消費期限が近づくと通知するなど、食品ロス削減に貢献している。さらにStock形式の買い物リスト生成やレシピ提案も行い、共働き家庭に特に重宝されている 。
音声操作とスマートディスプレイ
Echo ShowやGoogle Nest Hubのようなスマートディスプレイは、家中の家電を最新のハブとして管理できる存在へと進化しており、カレンダー共有やビデオ通話も可能だ 。AlexaやGoogle Assistantは個人の声を識別する「ボイスID」を搭載し、ユーザーごとのパーソナライズを行う製品も登場している。
家事ロボット・省エネ
掃除ロボットはAIで間取りを記憶して効率的に掃除し、セキュリティロボットでは異変を検知し警告する機能が強化されている 。パナソニックやLGのAI家電はエネルギー使用を分析し、自動で最適運転を実行、家計への影響も少ない。
テクノロジーと社会サポート
5G通信の浸透により、外出先からでもスマホで家電操作が可能になり、帰宅前にエアコンをつけたり、防犯チェックをしたりする生活が当たり前になりつつある。経済産業省はスマートホーム事業を2024年から支援しており、自治体主導の導入推進も見られるが、具体的な普及目標や取り組みには今後の整備が必要だ 。