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AIとChatGPTで「考える力」は落ちるのか?
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AIとChatGPTで「考える力」は落ちるのか?

日々進化するAI技術の中で、特に注目を集めているのがChatGPTをはじめとした対話型AIの存在だ。文章生成、翻訳、要約、さらには論文作成まで対応可能なこれらのツールは、学生、ビジネスマン、クリエイターにとってすでに不可欠な存在になりつつある。 しかし、利便性の裏側で専門家が指摘するのが、「人間の思考能力そのものが鈍っていく可能性」だ。AIを使うことは“考える”から“選ぶ”へのシフトを加速させる──これはもはや直感ではなく、研究データで裏付けられつつある。 便利さの代償:「外注される思考」2023年、東京大学と京都大学の共同研究チームは、大学生500人を対象に「AIツール使用時の脳活動」を測定した。文章生成タスクを手作業で行ったグループと、ChatGPTを使ったグループを比較したところ、前頭前野(思考や判断を司る脳の領域)の活動量が有意に低下していることが判明した(研究報告:未査読プレプリント)。 この結果について研究者は「ツールの使用が必ずしも悪とは言えないが、繰り返すことで“自分で考える癖”が薄れていく可能性は否定できない」と警告している。 同様の傾向は教育現場でも見られている。ある都内の私立高校では、レポート課題の約3割が「ChatGPTによる自動生成」と判定され、教員側は「生徒が“考える訓練”を飛ばし、完成品だけを求めるようになってきた」

過労死”なお続く、静かな反発“クワイエットクイット”広がる
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過労死”なお続く、静かな反発“クワイエットクイット”広がる

ストレスや重労働による過労死が問題視される一方で、日本の職場では「必要最低限だけ働く」という「クワイエットクイット(静かな退職)」が若い世代を中心に確実に広がっている。 日本における過労死(karoshi)は、長時間労働や過剰なストレスが引き金となり、心筋梗塞・脳卒中・過労自殺などを通じて命を奪う深刻な社会問題だ。「Karoshi」は日本発の言葉として世界に知られており、世界保健機関(WHO)や国際労働機関(ILO)も長時間労働と過労死の関係性を指摘している 。 2022年には、26歳の医師が100日以上連続で働き、207時間超の時間外勤務した末に自殺した事件も報じられ、国内外に衝撃を与えた。政府は月末金曜日のプレミアムフライデー導入や特定企業の公表、4日勤務制の推進といった働き方改革を打ち出すが、現場の長時間労働は依然残っており、「過労死を防ぐにはまだ遠い」との声もある 。 こうした背景の中、職場環境や働き方に変化が生じ、若者を中心に「ただ働く」のではなく、「契約範囲内で働く」ことを選ぶ動きが拡大している。それが「クワイエットクイット」だ。 クワイエットクイット、日本でも浸透クワイエットクイットとは、本来の業務範囲をこなすだけで、それ以上の業務を自ら進んで引き受けない姿勢を指す。2022年にTikTokをきっかけに米国で注目され、日本でも広がっている 。 求人・転職情報サイト「マイナビ」の調査では、

若手が選ぶ「辞めるプロに任せる」新卒・若手中心の広がり
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若手が選ぶ「辞めるプロに任せる」新卒・若手中心の広がり

若手社員の間で、“辞め方”そのものへのストレスが新たな雇用課題として浮上している。従来の日本的転職観から離れ、「退職代行サービス」に殺到する20~30代の姿が目立ち始めた。 コロナ禍以降、日本の職場文化は大きな転機を迎えた。長時間労働、パワハラ、上下関係のストレスなどを抱えたまま、辞める意思さえ伝えられず苦しむ若手が急増。その背景から、第三者が代わりに退職手続きを行う「退職代行サービス」の利用が急増している。 東京・渋谷を拠点に展開する「モームリ」は、月2500件もの依頼を処理しており、利用者の約8割は20~30代だ 。依頼理由には「パワハラや嫌がらせを避けるため」(34%)、「即日退職を希望するため」などが挙げられ、若手を中心に「言いたくても言えない」「合わない職場には居続けたくない」という強い意志が背景にある 。 また、新卒入社1週間以内に依頼が相次ぐ現象も起きており、ある業者では入社初週で42件の問い合わせが集中し、前年同期比で2.8倍に跳ね上がった 。新卒社員の94%がサービスを認知し、25%が「利用を検討」と回答している調査もあり、若手層にとって退職代行が身近な選択肢となっている現状が明らかだ。 内定率の高さにもかかわらず「辞め方」でつまずく現実2025年3月の大学生の就職内定率は92.6%と過去最高を記録した一方、